創業融資について
個人事業主や会社経営者として事業を立ち上げる場合、売上を獲得する前段階で、初期投資や当面の運転資金が必要になりますが、創業期はまだ信頼もなく、資金調達が困難である場合が少なくありません。
多くの個人事業主や開業間もない企業は、最初は日本政策金融公庫で融資を受けることとなります。
日本政策金融公庫には、「新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方」などを対象とする様々な融資制度があります。
これら対象者の中でも特に「創業期の方(新たに事業を始める方または事業開始後税務申告を2期終えていない方)」は「創業融資」の適用となり、さらに金利の優遇措置等(各融資制度の金利から0.65%引下げなど)を受けることが出来ます。
創業融資は一般的に、起業・開業の際に事業者が受けられる融資のことを指し、日本政策金融公庫における「創業融資」のほか、自治体・金融機関・信用保証協会が連携して行う「制度融資」があります。
本稿では、創業間もない個人事業主が多く利用する日本政策金融公庫の融資制度について解説いたします。
日本政策金融公庫の事業融資制度
「新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方」などを対象とする主な融資制度は以下のとおりです。なお、いずれも「国民生活事業」(中小零細企業や創業期の会社、起業を準備する方向け)の融資について記載しております。
①新規開業・スタートアップ支援資金
「新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方」を対象として、新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金および運転資金を融資する制度です。
以下の3つの枠があり、それぞれの枠の中に定められている条件により金利が異なります。(基準金利、特別利率A、特別利率B、など細かく設定されています。)
Ⅰ.新規開業・スタートアップ支援資金(女性、若者/シニア起業家支援関連)
女性または35歳未満か55歳以上の方が対象です。
Ⅱ.新規開業・スタートアップ支援資金(再挑戦支援関連)
「廃業歴等を有する個人または廃業歴等を有する経営者が営む法人であること」
「廃業時の負債が新たな事業に影響を与えない程度に整理される見込み等であること」
「廃業の理由・事情がやむを得ないもの等であること」
のすべてに該当する方が対象です。
前事業に係る債務を返済するために必要な資金を含みます。
Ⅲ.新規開業・スタートアップ支援資金(中小企業経営力強化関連)
「中小企業の会計に関する基本要領」または「中小企業の会計に関する指針」
を適用しているまたは適用する予定の方であって、自ら事業計画書の策定を行い、中小企業等経営強化法に定める認定経営革新等支援機関による指導および助言を受けている方
Ⅰ~Ⅲいずれも条件は以下のとおりです。
融資限度額:7,200万円(うち運転資金4,800万円)
返済期間:
・設備資金 20年以内
(うち据置期間5年以内)
・運転資金 10年以内※
(うち据置期間5年以内)
※「再挑戦支援関連」のみ15年以内
担保・保証人:お客さまのご希望を伺いながらご相談
②ソーシャルビジネス支援資金
NPO法人、およびNPO法人以外であって、
(1)保育サービス事業、介護サービス事業等を営む方
(2)社会的課題の解決を目的とする事業を営む方を対象とする融資制度です。
このうち、「新規開業しようとする方または新規開業しておおむね7年以内」のNPO法人で、社会的課題の解決を目的とする事業を営む方を対象とする[特別利率B]が設定されています。
条件は以下のとおりです。
融資限度額:7,200万円(うち運転資金4,800万円)
返済期間:
・設備資金 20年以内
(うち据置期間5年以内)
・運転資金 10年以内
(うち据置期間5年以内)
担保・保証人:お客さまのご希望を伺いながらご相談
③生活衛生新企業育成資金(新企業育成・事業安定等貸付)
「生活衛生関係の事業を創業する方又は創業後おおむね7年以内の方」を対象に、「設備資金および運転資金」または「設備資金」を融資します。
生活衛生関係の事業とは、飲食店、喫茶店、理容室、美容室、旅館・ホテル、クリーニング店、公衆浴場、興行場、食肉販売店、氷雪販売業のことをいいます。
条件は以下のとおりです。
[振興計画認定組合の組合員の場合]
融資限度額:設備資金 1億5,000万円~7億2,000万円、運転資金 5,700万円
返済期間:
・設備資金 20年以内
(うち据置期間5年以内)
・運転資金 10年以内
(うち据置期間5年以内)
[振興計画認定組合の組合員以外の場合]
融資限度額:設備資金 7,200万円~4億8,000万円
返済期間:設備資金 20年以内
(うち据置期間5年以内)
担保・保証人:お客さまのご希望を伺いながらご相談
創業融資はさらに優遇
創業期の方(新たに事業を始める方または事業開始後税務申告を2期終えていない方)は、営業実績が乏しいなどの理由により資金調達が困難な場合が少なくありません。
このため、日本政策金融公庫 国民生活事業では、新規開業・スタートアップ支援資金をはじめとした創業融資を通じて、幅広い方の創業・スタートアップを重点的に支援しています。
【POINT1】無担保・無保証人融資
原則として無担保・無保証人で各種融資制度を利用可能
【POINT2】利率を一律0.65%引下げ
原則として0.65%(雇用の拡大を図る場合は0.9%)引下げ
【POINT3】長期でご返済可能
設備資金は20年以内(うち据置期間5年以内)、運転資金は原則10年以内(うち据置期間5年以内)と長期で返済
まとめ
創業期は設備投資や当面の運転資金などの資金需要があるにもかかわらず、金融機関からの信頼をまだ得ていないため、資金調達に苦慮します。
公的金融機関である日本政策金融公庫は、銀行などの民間金融機関のプロパー融資より金利が低く固定金利であることから、とくに立ち上げ時の資金の相談に応じてくれます。
審査があるため、自己資金の準備や、創業計画書をしっかり練ることが必要ですが、創業期ならではの優遇を享受して、順調なスタートを切りたいところです。

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