皆さんは、投資の世界に伝わる「相場格言」を意識したことはありますか?
「辰巳(たつみ)天井、午(うま)尻下がり……」
昨今の熱狂を経て、今の午(うま)年は相場が冷え込み、下落基調に入るとされています。
しかし、今日ラジオでファイナンシャルプランナーが
「いえ、格言はそうですが、今年はそうはならないでしょう」
と、肯定的な見解を述べているのを耳にしました。
「今年は格言通りにはならない。理由は実質金利だ。
物価上昇に金利が追いついていない今、お金を借りて設備投資をする心理が働くから、株価は上がる」
新年早々ということもあり、非常に前向きで説得力のある話です。
しかし、このロジックには、実務上無視できない『もう一つの側面』があるのではないでしょうか。
それは、お金のプロである「銀行の目線」です。
経営者は「今のうちに借りたい」
FPの言う通り、経営者の心理は今、非常に「攻め」に傾いているかもしれません。
「今後さらに金利が上がり、物価も上がるなら、今のうちに低金利で借金を引いて、設備投資をしておかないと損だ」という駆け込み需要です。
もし日本中の経営者が一斉にこの「借り得」に動けば、確かに一時的に設備投資は盛り上がり、景気は上向くでしょう。
FPの予測は、この「経営者の焦り」という熱狂を捉えたものです。
銀行の「逆ザヤ回避」という冷徹な壁
しかし、ここで立ち止まって考えてみてください。
銀行は、物価上昇率より低い金利で貸し出すような「逆ザヤ」を黙って受け入れるでしょうか?
銀行もボランティアではありません。
物価が上がれば、将来返ってくるお金の価値は目減りします。
銀行が最も恐れるのは、その「インフレによる損失」です。
銀行員は、経営者が「今のうちに借りたい」と思うよりもずっと早く、「将来の物価上昇(先高観)」をあらかじめ金利に上乗せします。
- 経営者の視点: 「インフレになる前に、今の低い金利で借りたい!」
- 銀行の視点: 「インフレになるから、今のうちに貸出利率を上げておこう」
この両者の「知恵比べ」において、情報量と資金力で勝るのは常に銀行です。
私たちが「借り得だ」と気づいたときには、窓口にはすでに銀行が「先読みして釣り上げた利率」が用意されている。
これが金融実務の冷徹な現実です。
「熱狂」の後にやってくるもの
経営者が『将来はもっと高くなるから』という先高感だけで、際限なく上がっていく金利を受け入れ、借金を膨らませ続けることなど可能でしょうか。
短期的には設備投資が盛り上がるかもしれませんが、やがて高い利払い負担が企業の利益を圧迫し始めます。
インフレで原材料費が上がり、さらに銀行への利息も増える。
このダブルパンチが表面化したとき、相場は格言通り、力尽きて「尻下がり」へと向かうのです。
つまり、FPの言う「株価上昇」は、銀行という壁にぶつかるまでの「一瞬の打ち上げ花火」に過ぎないリスクがあるのです。
まとめ:午年を賢く生き抜くために
少し厳しいお話に聞こえたかもしれませんが、
この「心理のズレ」を知ることこそが、午年の荒波を乗り越える武器になります。
- 「本物の企業」を選別する: 銀行が高い金利を提示しても、それを跳ね返すほどの利益を出せる企業、あるいは借金に頼らず自社資金で投資ができる「キャッシュリッチな企業」は、この局面でさらに強くなります。
- 安易な「借り得」論に乗らない: 周囲が「今借りなきゃ損」と騒いでいる時こそ、一度立ち止まって銀行の動きを観察してください。
流行のロジックを鵜呑みにせず、お金の流れの「裏側」を読み解く。
その冷静な目を持つ人だけが、次の上昇相場で大きな実りを手にすることができます。
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