銀行は融資先に頼んでくる
銀行から融資を受けていると、経営者は自分が弱い立場にいると感じてしまいがちです。銀行は優越的地位を利用して取引を強要してはいけないことになっているので、あくまで「お願い」ベースで経営者に様々な要望を持ち掛けてきます。
・追加の融資を受けてほしい
・定期預金を設定してほしい
・投資信託の契約をしてほしい
・関連のリース会社と契約してほしい
・担保を追加してほしい
・融資の金利を上げてほしい
銀行と経営者側で温度差があり、経営者は銀行の「お願い」を飲んでしまう傾向にあります。断ったら次の融資を断られるのではないかと考えるからです。では、本当に断ることは出来ないのでしょうか。
追加の融資を頼まれたら
銀行の各支店には、半年に1回、本部や地域のブロック支店からノルマ(預金量、融資量、投資信託販売件数、生命保険契約件数等)が課せられます。ノルマは本部からほぼ毎月、進捗状況を確認され、未達の場合は理由や今後の対応等について問われます。
銀行査定における債務者区分が「正常先」であれば、貸倒れリスクは少ないため、その会社の貸出し限度額までまだ達していなければ、追加の融資をお願いされる可能性があります。
「借りられるだけ借りておくべき」という考え方もありますが、高金利であるなど、条件が悪いのであれば、銀行のお願いだからと言って無理に借りる必要はありません。いずれ借りる予定だった場合や、企業側にも借りるメリットがあるならば別ですが、返済や利息支払いも考えたうえで不要なのであれば「財務体質悪化が心配」を理由に断っても構いません。
銀行が融資先に定期預金を組ませたい理由
融資を受けている(借金がある)のに定期預金でお金を預ける(お金を寝かせる)のはナンセンスです。企業側としては、融資を受けて事業を拡大したい(アクセルを踏みたい)はずなのに、融資の利息を払いながら元本を眠らせる(ブレーキを掛ける)ことは矛盾した行動であり、頼まれでもしない限りしないことでしょう。
一方、銀行側の立場としては、先に述べたように、預金量のノルマ達成が内部で厳しく求められます。「この社長はお願いすれば定期預金を組んでくれるだろう」と甘く見られると、銀行は「お願い」をしてきます。
銀行が定期預金を求めてくるのは、営業ノルマの理由もありますが、企業側が万一返済出来なくなった場合の備え、つまり「保全」のためです。定期預金は普通預金のように出し入れするものではないので、銀行としては融資先が自行に定期預金を持っていれば、いざという時に安心出来ます。
担保の追加の要求も同じく「保全」が理由です。既存の融資に追加担保を求められても断りましょう。
いずれにせよ、銀行はあくまで「お願い」ベースです。強要することは「優越的な地位の濫用」となり、独占禁止法第19条(不公正な取引方法の禁止)に抵触します。
融資を受けている銀行から定期預金を組むようお願いされた場合は、銀行の言いなりにならず、ハッキリ断りましょう。
銀行員はお金のプロだから投資信託に詳しい?
投資信託は非常に複雑な仕組みで構成されています。「銀行員はエリートでお金のプロだから」と思われがちですが、投資信託を進めてくるのはやはりノルマがあるからです。彼らの頭の中は「どうやってノルマを達成したらよいか、誰に営業を掛けたら買ってくれるか」が中心です。
こうした商品は新しいラインナップが次々と出てきて、商品知識が追い付かないまま、ノルマ達成に追われてしまう傾向にあります。また、銀行が紹介したい投資信託は、取扱手数料が高めに設定されたものであることも理解しましょう。
ご自身にとっても利益があると感じるのであれば契約してもよいですが、銀行が勧めてくるから、というだけで契約することは控えましょう。一本契約すれば「頼めば買ってくれる社長」と見られ、次は生命保険という様に、次々と持ち込まれてしまいかねません。
まとめ
銀行も営利企業です。融資を受けていることを引け目に感じることはありません。「優越的地位の濫用」を頭の片隅に置いて、銀行の言いなりにならない、付き合いのよい企業にならない、ということが、銀行との付き合いの中では重要です。
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