銀行融資における二次評価(定性評価)
金融機関は融資の審査において債務者区分を設定して企業を格付け評価します。
評価は一次評価(定量評価)、二次評価(定性評価)、三次評価(潜在返済能力)の3段階に分かれています。
この評価方法は、令和元年12月に廃止された「金融検査マニュアル」の中にあったのですが、廃止後なお多くの金融機関では、金融検査マニュアルに沿った「自己査定」が続いています。
一次評価(定量評価)
自己資本比率、債務償還年数、減価償却前営業利益など13の指標を点数化し、129点満点で評価。
二次評価(定性評価)
市場動向、経営者・経営方針、営業基盤など11の項目により、71点満点で評価(一次評価と合わせて200点満点)。
三次評価(潜在返済力)
代表者の個人収支、資産余力、返済状況の実態で、ランクアップか維持かダウンかで再評価します。
一次評価(定量評価)については【ブログ】銀行査定で使われる財務指標ですでにご説明済なので、
以下では二次評価(定性評価)についてご説明いたします。
二次評価(定性評価)の位置付け
債務者区分の実施においては、財務指標による定量評価だけではなく、
企業の将来的な返済能力に基づき、回収可能性も考慮されます。
どちらかと言えば、ネガティブな面がないかという保守的な見方をする傾向があります。
決算書の数値に直接出てこない部分を銀行員の主観で評価することになっていますが、
実務上はあまり力が入っておらず、余程のことがなければ点数は付きません。
一次評価の点数が低い会社に対し、二次評価で大きく加点した場合、
担当行員は「主観」に基づく評価を論理的に説明する責任が伴うため、
そこまでして加点するというバイアスが働きにくいというのが実態です。
金融庁は金融機関に対し、事業性評価に基づく融資に注力するよう要請しています。
融資現場では二次評価はあまり行われていないのが実態で、事業性評価に置き換えられているとも言えます。
とは言え、企業側としては、二次評価というフレームは依然あることを意識し、そこでランクダウンされないように留意しましょう。
銀行の査定フロー
まずは一次評価の採点結果に応じて、格付けランク(1~10格)まで振り分けます。
その後、二次評価、三次評価に応じたランクアップ、ランクダウンで調整する仕組みです。
二次評価、三次評価の配点結果がどの程度反映されるのかは、金融機関毎に異なるため一概には言えません。
金融庁は各金融機関に対し、最低でも3割は加味するよう指導していますが、
メガバンクや第一地方銀行(第四北越銀行など)の多くはせいぜい1割程度、
第二地方銀行(大光銀行など)や信用金庫で2~3割程度加味されると言われています。

銀行融資診断士®資料を著者加工
二次評価(定性評価)の項目
二次評価(定性評価)は具体的には以下の11項目、71点満点で行われます。
この中で10点の高配点となっているのは「市場動向」「経営者・経営状態」「営業基盤」です。
二次評価でランクダウンしないために、どの点に留意すべきかを把握しておくことが重要です。
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| 項目 | 配点 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
| 市場動向 | 10 | 急減期 | 衰退期 | 離陸期 | 成熟期 | 成長期 | ||||||
| 景気感応度 | 3 | 高い | 普通 | 低い | ||||||||
| 市場規模 | 4 | 300億円 未満 | 300億円 以上 | 1,00億円 以上 | 1兆円 以上 | |||||||
| 競合状態 | 7 | 適当競争 | 競合 激しい | 競合 緩やか | 独占 ・寡占 | |||||||
| 業歴 | 5 | 5年未満 | 5年以上 | 10年 以上 | 30年 以上 | |||||||
| 経営者・ 経営状態 | 10 | 劣る | やや劣る (後継者なし) | 普通 | 良好 | 優良 | ||||||
| 株主 | 5 | 問題あり | 非上場 だが 安定 | 上場かつ 大きな 問題なし | 上場かつ 安定 | |||||||
| 従業員のモラル | 3 | 経営に 影響あり | 問題ある が影響 なし | 問題なし | ||||||||
| 営業基盤 | 10 | 劣る | やや劣る | 相当の 基盤あり | 強固 | 極めて 強固 | ||||||
| 競争力 | 7 | 劣る | やや劣る | 普通 | 強い | 非常に 強い | ||||||
| シェア | 7 | やや劣る | 普通・限定 地域で 独占 | 高い | 非常に 高い | |||||||
| 合計 | 71 | |||||||||||
銀行融資診断士®資料より
まとめ
二次評価(定性評価)は、市場動向、経営者・経営方針、営業基盤など11の項目により、71点満点で評価(一次評価と合わせて200点満点)される設計になっていますが、融資現場では二次評価はあまり行われていないのが実態です。
とは言え、ニ次評価でランクダウンしないために、どの点に留意すべきかを把握しておくことが重要です。
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