経営者保証とは
会社が融資を受ける際、金融機関は人的保証として連帯保証を求めますが、その中でも、経営者による連帯保証を「経営者保証」と言います。
金融機関からしてみれば、経営者保証がなければ、借金をして会社を意図的に潰してしまえば、貸したお金が返ってこないことになるため、経営者保証を付けるのは当然と理解出来ます。
一方、会社側から見れば、経営者保証を付けてお金を借りても、もし事業が失敗したらと考えれば、経営者による思い切った事業展開や早期の事業再生、円滑な事業承継を妨げる要因にもなります。
金融庁は「経営者保証改革プログラム」を策定し、令和5年4月から適用、金融機関に対し経営者保証に関する説明義務を厳格化したり、「経営者保証に関するガイドライン」の適用を強化するなどの指導を行っています。
中小企業庁においても、経営者保証の解除や設定不要とするなど、様々な制度を創設しています。
信用保証協会における経営者保証を不要とする取扱い
業種・業態にもよりますが、一般的に年商3億円以下の会社では、融資の際に金融機関側から信用保証協会の保証付き融資を提案されることが多いと言われています。
そして実際の現場では、信用保証協会の保証付き融資であっても、さらに経営者保証が求められている傾向にあります。それは金融機関(この規模ですと、主に信用金庫や信用組合)がより確実な保全を求めるためです。
信用保証協会を利用している場合、下記の(1)~(3)の3つの取扱いのいずれかに該当すれば、経営者保証を不要とする保証の取扱いが出来る可能性があります。
(1)金融機関連携型
・取扱金融機関において、信用保証協会の保証を付さない、経営者保証を不要とし、かつ担保による保全がない融資残高がある(もしくは同じタイミングで上記と同内容の融資を行う)。
・「直近決算期において債務超過でないこと」かつ「直近2期の決算期において減価償却前経常利益が連続して赤字でないこと」。
・法人と経営者との一体性解消が図られていることを取扱金融機関が確認している。
(2)財務要件型
・直近決算期において以下財務基準1~3のいずれかを満たしている。
(⇒横スクロール)
| 基準1 | 基準2 | 基準3 | 充足要件 | |
|---|---|---|---|---|
| ①純資産額 | 5千万円以上 3億円未満 | 3億円以上 5億円未満 | 5億円以上 | 必須 |
| ②自己資本比率 | 20%以上 | 20%以上 | 15%以上 | ②または③ のいずれか |
| ③純資産倍率 | 2.0倍以上 | 1.5倍以上 | 1.5倍以上 | |
| ④使用総資本 事業利益率 | 10%以上 | 10%以上 | 5%以上 | ④または⑤ のいずれか |
| ⑤インタレスト・ カバレッジ・レシオ | 2.0倍以上 | 1.5倍以上 | 1.0倍以上 |
(3)担保充足型
・法人又は経営者が所有する不動産の担保提供があり、十分な保全が図られている。
信用保証料の上乗せで経営者保証が不要となる制度
要件を満たすことで経営者保証を外すことができます。また、令和8年度まで国の⽀援制度で保証料の補助制度があります。
事業者選択型経営者保証⾮提供制度(横断的制度)
信⽤保証料の上乗せで経営者保証を解除することができます。
[要件]
次の要件のいずれにも該当すること(*)
①過去2年間(法人の設立日から2年経過していない場合は、その期間)において決算書等(*1)を申込金融機関の求めに応じて提出していること。
②直近の決算において代表者(*2)への貸付金等(*3)がなく、かつ、代表者への役員報酬、賞与、配当等が社会通念上相当と認められる額を超えていないこと。
③直近の決算において債務超過でない(純資産の額がゼロ以上である)こと又は直近2期の決算において減価償却前経常利益が連続して赤字でないこと。
④上記①及び②については継続的に充足することを誓約する書面を提出していること。
⑤中小企業者が、保証料率の上乗せにより保証人の保証を提供しないことを希望していること(*4)。
(*)法人の設立後最初の決算が未了の者の場合にあっては①から③までに掲げるものを、法人の設立後最初の2期分の決算が未了の者にあっては③に掲げるものをそれぞれ除く。
(*1)原則、決算書とするが、必要に応じて試算表や資金繰り表等も含む。
(*2)「代表者」には代表権を持つ者のほか、代表者に準ずる者も含む。
(*3)「貸付金」以外の金銭債権(仮払金・未収入金等)も含み、少額のものや事業の実施に必要なものは除く。
(*4)経営者保証を不要とすることができる既存の保証制度等については、本制度によらず、引き続き従前の取扱いが可能。
[保証料率]
上記の③の要件の両方を満たす場合
→信用保証協会所定の保証料率に0.25%上乗せ
上記の③の要件のいずれか一方を満たす場合又は法人の設立後2事業年度の決算がない場合
→信用保証協会所定の保証料率に0.45%上乗せ
[保証人]
不要
[対象となる保証]
無担保保険(限度額8,000万円)に係る保証など。
[その他]
原則として、本制度を適用する個別の保証制度等の取扱いに準じる。
事業者選択型経営者保証⾮提供促進特別保証制度(国補助制度)
事業者選択型経営者保証⾮提供制度(横断的制度)を利⽤する際、上乗せとなる信⽤保証料に対して国から補助を受けることができます。
[要件]
事業者選択型経営者保証非提供制度(横断的制度)の要件と同じ。
[保証限度額]
8,000万円
セーフティネット保証(4号・5号)の場合は、別枠で8,000万円
[保証期間]
一括返済の場合:1年以内
分割返済の場合:10年以内(据置期間は1年以内)
[保証料率]
事業者選択型経営者保証非提供制度(横断的制度)の保証料率と同じ。
[保証料補助]
保証申込日に応じて、次の補助率に相当する額を国が補助します。
2024年3月15日~2025年3月31日の保証申込分
補助率 0.15%
2025年4月1日~2026年3月31日の保証申込分
補助率 0.10%
2026年4月1日~2027年3月31日保証申込分
補助率 0.05%
[保証人]
不要
[取扱期間]
2027年3月31日まで
プロパー融資借換特別保証制度(プロパー借換制度)
プロパー融資(信⽤保証協会を利⽤しない⾦融機関の独⾃融資)の経営者保証を解除することができます。
経営者保証を求めない取組による信用収縮を防止し、民間金融機関における取組浸透を促すために、例外的に、既往のプロパー融資(*)(経営者保証あり)から信用保証付き融資(経営者保証なし)への借換を認める保証制度を時限的に創設するものです。
(*) 信用保証協会の保証を付さない融資のこと
[内容]
プロパー融資(経営者保証あり)→信用保証付き融資(経営者保証なし)
[保証料率]
0.45%~1.90%
[保証人]
不要
[取扱期間]
2027年3月31日まで
(以上 新潟県信用保証協会ホームページ、中小企業庁ホームページより引用)