ものづくり補助金とは
ものづくり補助金とは、正式名称「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」のことで、中小企業・小規模事業者が今後複数年にわたる相次ぐ制度変更に対応するため、生産性向上に資する革新的な新製品・新サービス開発や海外需要開拓を行う事業のために必要な設備投資等を支援する補助金です。(通称 もの補助金)
成長志向の中小企業者等が、物価高や賃上げ・最低賃金引上げ等の事業環境変化に対応し、″稼ぐ力”を強化するために、革新的な新製品・新サービス開発や海外需要開拓を行う事業のために必要な設備投資等に要する経費の一部を補助する事業を行うことで、中小企業等の生産性向上を促進し経済活性化を実現することを目的としています。
ものづくり補助金には以下の2つの枠が設けられています。(第19回公募要領:令和6年12月18日更新 中小企業庁HP)
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| 枠 | 要件 | 補助上限 | 補助率 |
|---|---|---|---|
| 製品・サービス 高付加価値化枠 | 革新的な新製品・新サービスの開発による高付加価値化 | 750万円 ~2,500万円 | 中小企業1/2 小規模・再生2/3 |
| グローバル枠 | 海外事業の実施による国内の生産性向上 | 3,000万円 | 中小企業1/2 小規模2/3 |
前回第18回で設けられていた「省力化(オーダーメイド)枠」(人手不足の解消に向けて、デジタル技術等を活用した専用設備の導入等)がなくなりました。
大幅な賃上げに取り組む事業者には、補助上限額が100~1,000万円上乗せされます。
大幅な賃上げとは具体的に、「(1)給与支給総額の年平均成長率+6.0%以上増加 (2) 事業所内最低賃金が事業実施都道府県における最低賃金+50円以上の水準」です。
申請枠の補助上限額に達していない場合や、常時使用する従業員がいない場合、再生事業者、最低賃金引上げに係る補助率引上げの特例事業者については適用不可です。
また、最低賃金の引き上げに取り組む事業者には、補助率が2/3に引き上げられます。
最低賃金の引き上げに取り組む事業者とは、「指定する一定期間において、3か月以上地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員数の30%以上いる事業者」です。
常時使用する従業員がいない場合、小規模企業・小規模事業者、再生事業者については適用不可です。
ものづくり補助金の概要
第19回ものづくり補助金の概要は下記のとおりです。(令和7年4月17日記載)
特徴としては、
・足下の賃上げ状況等を踏まえ、基本要件を見直し
・力強い賃上げの実現に向けて対応する中小企業等の取り組みを支援し、賃上げ環境を整備するため、最低賃金引上げ特例を創設
・中小企業等の企業規模に応じた投資ニーズに対応するため、補助金額に係る従業員規模区分を見直し、補助金上限額を一部拡充
となっており、とくに賃上げを意識したものとなっています。
基本要件
第19回公募要領では、以下の要件を全て満たす3~5年の事業計画書の策定及び実行することが要件とされています。
① 付加価値額(営業利益、人件費、減価償却費を足したもの)の年平均成長率が+3.0%以上増加
② 1人あたり給与支給総額の年平均成長率が事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上又は給与支給総額の年平均成長率が+2.0%以上増加(前回第18回は+1.5%以上増加)
③ 事業所内最低賃金が事業実施都道府県における最低賃金+30円以上の水準
④ 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表等(従業員21名以上の場合のみ)
※最低賃金引上げ特例適用事業者の場合、基本要件は①、②、④のみとする。
支援内容
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| 製品・サービス高付加価値化枠 | グローバル枠 | |
|---|---|---|
| 概要 | 革新的な新製品・新サービス開発による高付加価値化 | 海外事業の実施による国内の生産性向上 |
| 従業員規模と 補助上限額 | 5人以下 _750万円(850万円) 6~20人 _1,000万円(1,250万円) 21~50人 _1,500万円(2,500万円) 51人以上 _2,500万円(3,500万円) | 3,000万円 (3,100万円~4,000万円) |
| (特例措置) | 大幅賃上げ特例(補助上限額を100~1,000万円上乗せ。上記カッコ内の金額は特例適用後の上限額。各申請枠の上限額に達していない場合、常時使用する従業員がいない場合、再生事業者、最低賃金引上げに係る補助率引上げの特例事業者は除く。下記①、②のいずれか一方でも未達の場合、補助金返還義務あり。) ① 給与支給総額の年平均成長率+6.0%以上増加、② 事業所内最低賃金が事業実施都道府県における最低賃金+50円以上の水準 | |
| 補助率 | 中小企業1/2 小規模・再生2/3 | 中小企業1/2 小規模2/3 |
| (特例措置) | 最低賃金引上げ特例(補助率を2/3に引上げ。常時使用する従業員がいない場合、小規模企業・小規模事業者、再生事業者は除く。) ・ 指定する一定期間において、3か月以上地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員数の30%以上いること | |
小規模事業者持続化補助金(一般形・通常枠)の補助上限額が50万円であるのに比べると、750万円~4,000万円が上限額となっているため、大型の補助金であると言えます。
補助対象者
日本国内に本社及び補助事業の実施場所(工場や店舗等)を有する中小企業者、小規模企業者・小規模事業者等に限ります。
例えば、「中小企業者」に含まれるのは、
「製造業、建設業、運輸業、旅行業、その他」の場合、資本金の額又は出資の総額が 3 億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が300人以下の会社又は個人
「卸売業」の場合、資本金の額又は出資の総額が 1 億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が 100 人以下の会社又は個人
「サービス業」の場合、資本金の額又は出資の総額が5,000万円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が 100 人以下の会社又は個人
などが該当します。公募要領に詳しく掲載されていますので、貴社が対象となるかどうか、確認してみると良いでしょう。
なお、グローバル枠のうち、海外への直接投資に関する事業を行う場合においては、日本国内のほかに海外にも補助事業の実施場所を有していることが必要です。
補助対象経費
<共通>
機械装置・システム構築費(必須)
技術導入費(知的財産権等の導入に要する経費)
専門家経費(本事業遂行のために依頼した専門家に支払われる経費)
運搬費(運搬料、宅配・郵送料等)
クラウドサービス利用費
原材料費(試作品の開発に必要な原材料及び副資材の購入に要する経費)
外注費(新製品・サービスの開発に必要な加工や設計・検査等に要する経費)
知的財産権等関連経費
<グローバル枠枠のうち、海外市場開拓(輸出)に関する事業のみ>
海外旅費
通訳・翻訳費
広告宣伝・販売促進費
公募期間(第19回公募)
公募開始:2025年2月14日(金)
_[第18回:2024年1月31日(水)]
電子申請受付:2025年4月11日(金)
_[第18回:2024年3月11日(月)]
申請締切:2025年4月25日(金)
_[第18回:2024年3月27日(水)]
採択公表:2025年7月下旬頃予定
_[第18回:2024年6月25日(火)]
電子申請受付から申請締切までは2週間しかありません。
※本稿記載2025年4月17日現在
過去の採択率
直近の採択率は、概ね50%程度で推移してきましたが、足もとでは30%前後となっており、低下傾向にあります。
| 締切回 | 採択発表日 | 申請者数 | 採択者数 | 採択率 |
|---|---|---|---|---|
| 第14回 | 令和5年6月23日 | 4,865 | 2,470 | 50.8% |
| 第15回 | 令和5年9月29日 | 5,694 | 2,861 | 50.2% |
| 第16回 | 令和6年1月19日 | 5,608 | 2,738 | 48.8% |
| 第17回 | 令和6年5月20日 | 629 | 185 | 29.4% |
| 第18回 | 令和6年6月25日 | 5,777 | 2,070 | 35.8% |
事前準備から事業終了までの流れ

中小企業庁ホームページより
他の補助金と同様、「事業実施」から「補助金の支払い」までの間は、補助金が入ってこないため、事業全体の資金を確保しなければなりません。
また、補助率は2分の1、もしくは3分の2であるため、残りは自己負担(持ち出し)です。
しかし、補助金を受給しながら自社の経営課題を解決を出来るのは大きな魅力と言えます。